ロングライドとバイク選び
ブルべやフレッシュなど、自転車でロングライドをする上で、機材選びはとても大切だと思います。
こんにちは、ロングライド好きのあかつきです。 サイクリングで200km以上、場合によっては1,000km以上の距離を走る事を考えた時に、皆さんはどの様なバイクを選びますか?
最も一般的なのは、長い距離を楽に速く移動出来るロードバイクです。 日本は道路の舗装が比較的綺麗で走り易い事もあり、速度の出やすいロードバイクは、短い時間で長い距離を走るには最適と言えるでしょう。
実際にブルべやウルトラディスタンスのイベントに参加されている大多数のライダーがロードバイクを選択している事がその証と言えます。
ロードバイクの他にはクロスバイクやMTB、リカベントを選択される方もいます。 また変わり種ではシティーサイクルやママチャリで走られる方もお見かけしますが、その様な猛者は、ほんの一握りと言えるでしょう。
私もブルべに出ようと決めた時に選んだ機材は、カーボンロードバイクでした。 ピナレロのGAN-Sというミドルグレードのバイクですが、良く進んでくれて足にも優しく実際にこのバイクで2021年シーズンは、200kmから600kmのブルべを全て走り切り SRの認定を頂くことが出来ました。
PINARELLO GAN-S(2016年モデル)が私の相棒です。
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ロングライドで使うバイクに求めること
GAN-Sでブルべを走ってみて特に大きな不満点はありませんでした。 コンポは8050アルテグラのDi2なので、距離を走って疲れていても変速をしんどく感じる事はありませんでした。 フレームの硬さも硬すぎず、振動吸収性にも不満は感じませんでした。 ただ唯一改善したいと思ったのはブレーキでした。 GAN-Sはリムブレーキモデルという事もあり、雨の日の下り坂で制動距離が伸びてしまって少々怖い思いをしました。 また山岳ブルべでの長い下りで長時間ブレーキレバーを握り続けて握力が低下し、休憩を挟んだ事もありました。
リムブレーキは軽量でメンテナンスも楽だからメリットも少なくないのですが・・・
レースでタイムを競うわけではないので、雨の日はいつも以上に手前からブレーキングを開始する。下りで握力が落ちて来たら、止まって手を休ませる等の対応をすれば良いだけのことなのですが、これがもしディスクブレーキだったらと思うと、試してみたい欲求が沸いて来てしまいます。
という事で次のバイク選びの条件はディスクブレーキモデルである事を第一に検討することにしました。
フレーム素材を考える
リムブレーキモデルのバイクが希少になった今では、ディスクブレーキモデルは選び放題です。(むしろリムブレーキを選ぶ方が困難な状況) そこで次に検討しなければいけないのはフレームの材質です。ロードバイクフレームの材質ごとの寿命はおおむね以下の様になっています。
ロードバイクフレームの材質とおおよその寿命
①アルミフレーム 5~10年
②カーボンフレーム 15年
③クロモリフレーム 50年程度
あくまで参考値ではありますがアルミは5~10年、カーボンフレームなら15年、クロモリに至っては錆に注意してあげれば半世紀も使えます。しかし用途はあくまでロングライド特化なので、足への優しさを優先して自ずと候補はカーボンとクロモリの二択となって来ます。加えて現状機材に使えるお金等の条件も加味しながら、気になるバイクをいくつかピックアップしました。まず最初の一台はこちらです。
Panasonic FRCD06 エンデュランスロード/クロモリ 言わずと知れたパナモリのエンデュランスモデルです。お値段フレーム価格¥302,500~ アルミ、カーボンと乗り継いで来たので、最後にクロモリに乗るのも面白そうです。大事に乗ってあげれば、それこそ死ぬまで乗れるのも魅力です。 ただどうしても重量が重くなってしまうのが難点でしょうか。メーカーHPでは550mmサイズの機械式アルテグラ組みで9.2kgとなっていました。軽量なカーボンフレームの乗り味に慣れている私としては、重量増は軽快さが無くなるのではないか気になるところです。
そこで次の候補に選んだのがこちらのバイク
Panasonic FRTD04 エンデュランスロード/チタン パナモリの次はパナチタンのエンデュランスモデルです。重量はパナモリより軽い8.8kgでお値段¥566,500~ ウ~ンやはりチタンだけあって中々良いお値段です。でも素材を生かしたこのルックスは、他のバイクには無い独特の魅力を放っています。パナモリもパナチタンもメイドインジャパンというところに購買意欲をそそられるのは私だけでしょうか?
そして次に候補に上げたいのがこちらのバイク
PINARELLO PARIS DISK 私が長年お世話になっているピナレロのカーボンバイクです。 なぜPRINCEではないのかというと、単純にお値段が高いからです。 PRINCEが11Sの機械式アルテグラモデルで¥583,000に対してPARISは11Sの105Mixで¥396,000と\187,000も安く手に入ります。これだけあればコンポやホイールのアップグレードも出来るでしょう。
ブルべはタイムを競うものではないので、レーシングモデルよりも下位グレードのフレームの方がふところが深く足に優しいことが往々にしてあります。ピナレロは2023年モデルからXシリーズという快適性を向上させたモデルを投入していますが、いかんせんお値段が高すぎます。つるしで¥700,000オーバーのバイクなんて私には高値の花です。本当に最近の自転車は価格設定が高すぎて困ったものです。
そんなことをなげきつつ、次に上げる候補はこちらです。
ELVES VANYAR DISC ここ数年で急激にユーザーを増やしつつある新興ブランドELVESの軽量バイクであるVANYARのディスクモデルです。ご存じの方も多いと思いますがELVESは台湾のフレームメーカーで、様々なメーカーのOEMフレームを制作してきた実績があるそうです。 台湾メーカーと言えばGIANTやMERIDAなどの有名メーカーもあるのに、なぜELVESなの?と思われるかもしれませんが、これには明確な理由があります。
まずは何と言っても価格が安い!東レのT800・T1000のカーボンを使って作られるフレームが¥137,228です。しかも5年間の保証付き。更にカスタムペイントも無料で行ってくれます!これならばフレームがへたったとしても容易に買い替えることが出来ます。
但しそんなELVESも購入時に注意すべき点があります。それは販売方法がインターネットによるフレーム販売ということです。つまり完成車での店舗販売が無く、自分もしくは最寄りの自転車店に持ち込んでの組み立てが必要となって来ます。
しかしロードバイクの価格が高騰する昨今ではELVESの価格設定は非常に魅力的だと思いますし、日本国内でもユーザーを獲得しているのも納得です。
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コンポーネントを考える
フレームと同じくらい悩ましいのがコンポ選びです。 シマノ信者の私はメーカーで迷う事は無いのですが、機械式かDi2か、油圧ブレーキか機械式ディスクか等色々と考えてしまいます。
変速器はDi2か機械式か
まずは変速機ですが最もお金が掛からないのは、今GAN‐Sで使っているアルテグラのDi2を移植する方法です。 Di2のメリットは何と言っても変速時のストレスが少ないことだと思います。
今まで何本かのブルべをGAN-Sで走りましたが、終盤の疲労が蓄積した体でも軽いスイッチ操作で変速が出来るのは非常に助かります。機械式と違ってワイヤーの伸びや切れの心配が無いのも大きな利点です。
しかしDi2にもデメリットは存在します。 まずはバッテリーの管理が必要という点です。満充電であれば1000km程度は走行可能の様ですが、事前の充電を忘れて600kmブルべなどに出てしまうと、途中でバッテリー切れを起こして固定ギヤで走る羽目になります。 また1000kmを超えるウルトラディスタンスでは、どこかで充電の必要が発生します。
更に飛行機を使っての輪行ではバッテリーは基本手荷物での機内持ち込みとなるため、 シートポスト内から抜き取らなけらばならなくなります。 この作業は非常に手間ですし、バッテリーの抜き差しで発生するトラブルの不安も付きまといます。 いつかはウルトラディスタンスにも参加したいと考えている私としては、機械式の採用も十分視野に入れて検討を進めたいと思います。
変速機のチョイスは性能以外の部分も考える必要がありそうです
ブレーキは油圧か機械式か
続きましてはブレーキ選びになります。 一般的にディスクブレーキシステムと言うと油圧は制動力が高く、機械式は制動力が劣ると言うのが共通の認識かと思います。 完成車でも上級グレードのバイクには油圧式が搭載されており、エントリーグレードのバイクには安価な機械式が搭載されるのが通例です。
しかし私はあえてワイヤー引きの機械式ディスクブレーキを選択したいと考えています。 但し一般的なエントリーグレードモデルに付いているテクトロ等ではなく、GROWTACというメーカーがリリースしているEQUAL(イコール)の機械式ブレーキセット購入を考えています。
GROWTACさんは製品作りに対する熱意を感じられて好きです!
EQUALは様々なメディアで取り上げられていますので、もはや私がご説明する必要は無いかと思いますが、このブレーキを選択する理由は様々あります。 以下は私がEQUALを使ってみたい理由です。
EQUALを選ぶ理由
①メンテナンスがしやすい(自分て整備出来る)
②車載や輪行で気をつかわずに済む(誤ってピストンを出してしまう等)
③制動力が十分確保されている
④デザインが良い
⑤メーカーのコンセプトが好き
やはりロングライドでの使用を考えると、トラブルの種は出来るだけ少なくしておきたいのが心情です。
ホイールとタイヤ選び
最後に走るうえでとても重要なホイールとタイヤについてです。
ホイールは人によって好みが大きく分かれると思います。 素材はおおむねアルミ又はカーボンのいずれかだと思いますが、私は丈夫さとしなやかさ 重視で断然アルミリム派です。
リムハイトは上限30mmくらいまでで横風の影響を受けにくいもの。 価格は¥100,000前後の高価過ぎないものが理想です。
もし次のバイクに組むなら、第一候補はこのホイールです
MAVIC KSYRIUM SL DISC
MAVICのキシリウムSLディスクです。 なぜこのホイールかというと、ズバリ今GAN‐Sに履いているのがMAVICのキシリウムエリートというモデルで非常に丈夫で、使い勝手も良く気に入っているからです。
そして次に履いてみたいのはこちら
CAMPAGNOLO ZONDA DB
ロングライドには定番のCAMPAGNOLO ZONDAのディスクモデルです。 このホイールは¥100,000を切る価格設定ながら、ロングライドを走るライダーに高い評価を受けていることから、一度は履いてみたいと思っています。 ZONDAは足残りが良いと言われるので、是非体感してみたいものです。
続いて3本目はこちらです。
Fulcrum RACING3 DB
FulcrumのRACING3ディスクモデルです。 カンパニョーロの姉妹ブランドで、こちらもアンダー¥100,000ながら普段使いからレースまでこなす万能ホイールです。 上位モデルのRACING ZEROより乗り心地がマイルドなのもロングライド向きで良さそうです。
さてホイールはこの三本から選ぶとして、次はタイヤ選びです。 現在はチューブレスタイヤがかなり普及して来ていますが、私は正直使う気はありません。 理由はパンクのリカバリーが難しい事です。
シーラントが穴を塞いでくれれば良いのですが、それも運次第の所もあります。 タイヤとホイールの相性もあると思いますが、以前に雨の中でパンクをしてタイヤからシーラントが噴き出し、全く塞がらずにチューブも入れられず結局自走出来なくなったブルべの動画を見た時に、これはとてもじゃないけど使えないと思いました。
その点クリンチャーならば予備チューブさえあれば、パンクからの復帰は容易です。 人里離れた山の中で真夜中にパンクをして修理不能となれば、ブルべはDNF確定です。 輪行で帰ろうにも駅まで自走出来なければ、パンクした自転車を押して歩くしかなくなります。
そんなわけで私が選ぶタイヤはほぼこれ一択になります。
CONTINENTAL GRAND PRIX 5000
ブルべ界隈では定番中の定番CONTINENTALのGP5000です。 前モデルのGP4000から使っていますが、ブルべでSR認定を頂いたシーズンも非常にお世話になりました。 700×25Cサイズを履いていますが転がり、グリップともに良く何よりパンクしにくいのが素晴らしいです。 難点はタイヤが硬めなので脱着が少しだけ大変なのと、フラッグシップモデルなので価格が高めというところだけです。
乗り心地が硬いとおっしゃる方もいらっしゃいますが、25C以上の太さを選べばエアーボリュームも確保できて、あまり気にならないと思います。 ロングライドでは28Cあたりが更に乗り心地も良くてベストなサイズかも知れません。
しかしGP5000だけではド定番すぎて面白みに欠けますので、チャンスがあれば履いてみたいタイヤを上げておきます。
①Panaracer AGILIST DURO 700×25C
②Vittoria CORSA CONTOROL G2.0 700×28C
③Pirelli P ZERO VELO 4S 700×25C
以上の3モデルは機会があれば乗り比べてみたいタイヤです!
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まとめ
ここまで現時点で、私あかつきが思いつく限りの理想のロングライドバイクを組むための パーツを上げて来ましたがいかがだったでしょうか?
限られた予算をやりくりしながらでも、理想のバイクを思い描き現実のものにして行くのは、構想の時点から楽しい物です。
何かと機材の価格が高騰しているご時世ではありますが、皆さんも自分のベストチョイスを見付けて、理想のバイク作りをしてみて下さい。
いつかどこかのブルべでご一緒できたら嬉しいです。
最後までお読みいただき有難うございました。 それではまた次の記事で。
あかつき