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アイテム

【レビュー】SELLE SMP hell

イタリアのサドルメーカーSELLE SMPのエントリーモデルとなるサドルです。

名前はhell(地獄)といかついですが、実際の座り心地は果たしてどうなのか、レビューして行きたいと思います。

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製品概要

写真はミズタニ自転車のサイトより引用しています

シティライドでもSMPの持ち味をがコンセプトとなっています。

独特な形状のSMPサドルを初めて導入する人にお勧めのモデルとなっています。

全体的に細身でパッドは薄めとなっており、一体製法でコストダウンが図られています。

仕様データはこちら👇

■SELLE SMP hellの主な仕様データ

サイズ 280×144mm
表皮素材 SVT Velvet Touch
パッド素材 カーボン強化ナイロン12
レール素材 AISI304ステンレス鋼
重症 295g
カラー ブラック、ブラウングラベル
価格 ¥16,500

エントリーグレードだけあってSMPサドルのラインナップの中では、価格も抑えられた設定になっています。

また表皮が合成皮革なので雨でも気を使わずに使えるのが嬉しいところです。

※SELLE SMPサドルの上位グレードは天然皮革を使用したサドルがあります。

購入動機

ブルべなどのロングライドを出来るだけ快適に走るために、お尻に優しいサドルを探し求めて沼にはまっていた時期に、実際にこのサドルでブルべに参加されている方をお見掛けして、自分も試してみたくなり購入しました。

座面の独特のカーブにお尻がピッタリはまると、接触面積が広くなってライド中のお尻に掛かる圧力が分散されるのではと考えました。

座面の曲線が非常に特徴的なサドルです

使用感

ここからは実際にSELLE SMP hellで週末の100kmライドから600kmブルべまでを走って感じた感想をお届けしたいと思います。

取り付けとセッティング

このサドルを購入する前にネットで商品のレビューを検索したところ、時々セッティングに苦労するという書き込みを目にしていました。

ですが私はサドルポジションを探す作業が苦にならない(むしろ楽しい)人間なので、逆に楽しみながらポジション出しが行えました。

バイクを固定ローラー台にセットして、高さと前後位置を大まかに決めたら、ペダリングをしながら座面の傾きを微調整しつつ、違和感の最も少ないスイートスポットを探って行きます。

このサドルは車のバケットシートの様にお尻がピタッとはまって安定するポイントがあるので、後は実走しながらその美味しい位置を探して行きました。

重さ

このhellを購入する前に使用していたサドルはスペシャライズドのパワーエキスパートサドルで、重量は233gでしたから、単純に62gの重量増となります。

まあ相手はショートサドルですし、用途はロングライドがメインなので十分許容範囲内だと思います。

ちなみに実測での重量はスペック通り295gと非常に優秀な結果でした。

実物もスペック通りの重さでした

お尻の痛み

お尻の痛みについては性別、体重、乗り方等で感じ方が大きく変わるので、あくまで私個人の感想として参考になさって下さい。

ポジション出しが完了した後に週末の100kmライドや最長600kmのブルべでも使用しましたが、私の場合は劇的に痛みが減る様な事はありませんでした。

何だか中途半端な結果で済みません。でもこれが正直な結果でした。

100km程度のライドであれば、少々痛みは出ますが最後まで我慢できるレベルと言った感じで、600kmのブルべでは座骨周りよりもお股の前立腺付近の両サイドに圧力がかかり、うっ血して一部皮膚が擦り剝けてしまいました。

もちろんレーパンとお股に保護用のワセリンを何度も塗り直しましたし、適度にダンシングも織り交ぜて走ったのですが、走り終えてみると結構なダメージを受けていました。

 

お尻のダメージ考察

600kmブルべの後、体に発生したダメージの結果を基にもう一度メインのサドルを考え直す事にしました。

SMPのサドルは合う人と合わない人に分かれると聞きますが、どうも私の乗り方には合わなかった様です。

今回購入したhellのどんな所が私に合わなかったのか簡単にまとめてみました。

1.細身のシルエット

hellは概要にもあった通り座面が細身な上に中央の穴が大きく、お股が乗る部分がかまぼこ状になっているので、前立腺の両サイドが丁度硬く盛り上がった部分に当たってダメージの基になっている様です。

中央から先端にかけては大分細身の作りとなっています

これは私が骨盤を寝かせてサドルに座る乗り方をするために起きている事象です。

それが判っているなら骨盤を立てて座ったらと思われるかも知れませんが、私の場合それを長時間行うと腸脛靭帯炎を発症して、100kmも走らずに膝を痛めてしまうために出来ないのです。

2.SMP特有の座面形状

もう一つの問題点はSMPサドルのアイコンとも言える波を打つような座面の形状です。

hellを導入する際の目論見としては、大きく湾曲した座面形状によりサドルとお尻の接触面積が増加してお尻やお股に掛かる圧力が分散されて、快適度がアップするはずでしたが、それと合わせてサドル上で座る位置を自由に移動できないという背反も発生してしまいました。

SMPサドル特有の形状で着座位置が固定されてしまいます

バケットシートの様な座面で着座位置が一か所に固定されることで、ライド中同じ場所に圧力がかかり続ける為、私の場合は骨盤を立てるか、ダンシングをする以外に圧力を分散させるすべがありませんでした。

着座位置を全く変えられないと言ってしまうと語弊があるかもしれませんが、登りのシッティングでサドルの前側に座ろうとすると、先端の鼻の付け根辺りに座る事になるので、お股をグリグリされる感じで結構辛かったです。

3.お尻のダメージ要因まとめ

1と2の考察から残念ながらSELLE SMP hellは私のお尻とは相性が良くないという事が判りました。

しかしこれはあくまで私個人の体の柔軟性や乗り方に起因しており、万人がそうという事では決してありません。

むしろこの形が合う方はパッドが更に薄い上位モデルをお使いになっても、快適にライドをなさっておられます。

色々とネガティブな事を書いていますが、このサドルが気になる方はお近くのショップでテストサドルを探して、是非試してみて頂きたいと思います。

その後のサドル選定

SELLE SMP hellをしばらくの間使ってみて、私のお尻との相性が良くない事が判りましたので、もう一度サドル沼に戻って自分の乗り方に合うサドルについて見つめ直してみる事にしました。

考察の所でも述べた通り私は骨盤を寝かせてサドルに座る乗り方をするので、座骨で座るというよりは、馬の鞍にまたがる様な状態でサドルに体重を預ける事になります。

またハンドルの握る位置を変えるのに合わせて、サドルの着座位置も前後に移動させるので、サドルの後ろ側はせり上がっており、座面の前側半分くらいはフラットな形状がお尻にマッチする事が判りました。

以上2点を踏まえて現在の手持ちのサドルからベストな物を選択すると、結果はSpecializedのPower Expertサドルとなりました。

SMP hellに交換する前のPower Expertに戻りました

しかしPowerサドルはSMP同様に穴開きサドルである為、長距離を走るほどにセンターホールのふち部分のエッジが前立腺の両サイドを圧迫する感触があるので、今後は穴無しタイプのサドルを試して行きたいと考えています。

SELLE SMP hellの評価

評価:

たまたま私の乗り方に合わなかったというだけで、サドルとしては非常に考えられた良いものだと思います。

SMPのサドルで沼を脱した方も大勢いらっしゃいますので、試してみる価値は大いにある一品だと思います。

現に私も、このサドルで600kmブルべを完走しているので、思い入れのあるサドルとしてコレクションしておく事にしました。

まとめ

やはりサドルと言うのは実際に長い期間使ってみないと、合う合わないの判断が難しいという事が、今回のhellを使ってみて改めて実感できました。

残念ながら私にはマッチしませんでしたが、自分に合いそうなサドルを絞り込む良い経験が出来た事は収穫だったと思います。

今後はここで得た知見を活かして、更に快適なサドルを探す旅を続けて行きたいと思います。

また新しいサドルを手に入れた際はじっくり使ってレポートさせて頂きますので、よろしくお願い致します。

それではまた次の記事で。