今回は私が長年愛用しているアルミホイール MAVICキシリウム エリートのハブメンテナンスについて書いてみたいと思います。
ホイール紹介
私がMAVICのキシリウムエリートを購入したのは2016年なので、もうかれこれ10年弱愛用している事になります。

キシリウムエリートは現在MAVICのラインナップからは消えてしまっていますが、購入当時はアルミのリムブレーキモデルのラインナップの中では、セカンドグレードに当たるホイールでした。
重量は前後セットで1550gでリムはISM4Dという強度の必要なニップル組付け部以外の肉をCNC切削加工によって削ぎ落したモデルとなっています。

リムにネジ穴を切ってスポークを直接ねじ込む事により、スポークの穴を無くしてリムテープが要らない構造となっていますので、重量とメンテナンスの手間をダブルで軽減してくれています。
乗り味の方は硬すぎず反応性も良くて、ペダルを踏むとスイスイ進んでくれます。
そしてとにかく丈夫です。週末のトレーニングからブルべ等のロングライドまでオールマイティーにこなしてくれるホイールなので、非常に気に入って使っています。

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ハブのメンテナンスについて
さて今回はそんなキシリウムエリートの心臓部とも言えるハブ(フリーボディー)のメンテナンスのお話なのですが、先ずは主役となるハブについて少しご説明したいと思います。

キシリウムエリートに採用されているハブは、FTS-Lと呼ばれるもので現行のインスタントドライブ360の一世代前のものとなります。
構造はシンプルで軸側の2枚の爪をフリーボディー側の40ノッチのラチェットに引っ掛けて駆動力を伝達する仕組みです。
何だか聞いた事の無い用語ばかりで良く判らないと言う方、大丈夫です!
この後の分解整備の所で、写真も交えて詳しく書いて行きますね。
ハブメンテナンス時期のサイン
ここでハブのメンテナンスに行く前に一つ豆知識を。
マビックオーナーの方はすでにご存じだと思いますが、マビックのハブメンテナンスのサインは、ホイールのラチェット音が教えてくれます。
マビックのラチェット音は派手な爆音ではなく比較的静かなのですが、ハブ内部のオイルやグリスが仕事を終えて潤滑性が低下すると、ラチェット音が大きくなって来てメンテナンス時期になった事が判ります。
オイルやグリスが新しい内はこもった様な低めのラチェット音ですが、潤滑が切れて来ると音が甲高く乾いた感じになって来ます。
これがメンテナンス時期のサインです。
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ハブの分解清掃
それでは実際にハブを分解して清掃とオイルアップをして行きたいと思います。
工具と油脂類の準備
まずは作業に入る前に使用する工具と、オイルやグリスなどの潤滑油を準備します。
私がメンテナンスの時に使う物はこちらです👇
- 5mmのアーレンキー
- 17mmのスパナ
- スプロケットリムーバー
- MAVICフリーボディー用ミネラルオイル
- シマノ プレミアムグリス

ハブの分解
道具の準備が出来たらいよいよハブの分解です。
まずはバイクからリアホイールを取り外します。
この時クイックリリースはシャフトから抜き取っておきましょう。

次はスプロケットが邪魔になるので、スプロケットリムーバーを使って取り外します。
スプロケットが空転しない様にチェーン付きのレバーで固定してから、センターのロックナットを反時計回りに回して緩めます。

スプロケットを外した状態のハブがこちらです👇

次に5mmのアーレンキーでハブ軸が回ってしまわない様に抑えつつ、17mmのスパナでロックナットを緩めます。

ロックナットが外れたらフリーボディを引き抜きますが、この時に注意が必要です!
フリーボディーを横向きの状態で引き抜くと、中のラチェットの爪が落下して、運が悪いと爪に付いている小さなスプリングを無くす可能性があります。
ですからフリーボディーを引き抜く時は、ホイールを寝かせて、垂直方向にそっと持ち上げてあげましょう。
ハブ内部のスモールパーツを無くさない様に、フリーボディーは垂直にゆっくり引き抜きましょう!
フリーボディーが外れると、中からラチェットの爪が顔を出します。

爪はセンターの溝にはまっているだけなので、優しくつまんで取り外し、古いオイルを清掃してあげます。
フリーボディーの中やシャフトの周りも、丁寧に古いオイルをふき取って清掃します。
ここでもう一つ気を付ける事があります!
それがこちらのワッシャーの存在です。

分解した時は大抵オイルの粘性でフリーボディー側へ張り付いて来ることが多いのですが、組付けの際にこのワッシャーを入れ忘れると、内部を破損させてしまいます。
ですからこのワッシャーだけは必ず組み付けるように注意して下さい。
大事なホイールを破損させない様に、ワッシャーの組付け忘れに注意しましょう!
オイルアップ
一通りの清掃が終わったら、次は各部品にオイルを塗布して行きます。

オイルを塗る場所は2か所です。
まず最初にラチェットの組付け部分にミネラルオイルを適量塗布します。

次にフリーボディーの中にも適量塗布して行きます。

ちなみにオイルはMAVICの純正ミネラルオイルを使っています。
それ以外のオイルやグリスを塗布してしまうと粘度の違いなどから故障の原因になる可能性があるので、必ず純正オイルを使いましょう。
最期にシャフトも綺麗にして、薄くシマノのプレミアムグリスを塗っておきます。

この部分はメンテ必須の部位では無いので、お好みで良いかと思います。
組付け
オイルアップが終了したら、分解した時と逆の手順で組み立てて行きます。
まずは2枚の爪とスプリングを元の位置にはめ込みます。

溝に引っかかっているだけなので、落下させない様に注意しましょう。
次はフリーボディーをセットしますが、この時に中にワッシャーを入れるのを忘れない様にしましょう!
フリーボディーを上から優しく下ろしていくと、ラチェットの爪に当たって止まるので、2枚の爪をそっとフリーボディー内へ納める様に押してあげると、フリーボディーが元の位置まで入って行きます。

フリーボディのセットが完了したら、5mmのアーレンキーと17mmのスパナでロックナットを組み付けます。

ここまで出来たら一度フリーボディーを手で軽く回して引っかかりや異音がしないか確認しましょう。
少しでも違和感がある場合は無理にフリーボディーを回さずに、もう一度分解してラチェット部分などを確認して下さい。
ここで無理に回すと、ラチェットの爪を押しているスプリングなどが破損する事があるので、面倒がらずに分解確認する事をお勧めします。
フリーボディーがスムーズに回れば組付けは成功なので、後はスプロケットを外した時と逆の手順で組付ければ終了です。

組付けの時はスプロケット抑えは必要無いので、センターナットを締める工具だけあればOKです。
後は組み上がったホイールをバイクに戻して作業完了です。
フリーボディーの音が格段に静かになるので、メンテナンス後の効果が体感できます。
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まとめ
マビックのホイールは構造が簡単で、手順を理解し道具さえ揃えれば、ユーザーでも簡単にメンテナンスが可能です。
自分でメンテナンスをすると、愛車が更に好きになると同時に、自分の自信とスキルアップにもつながりますので是非チャレンジしてみて下さいね。
それではまた次の記事で。