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コラム

【コラム】ロングライドと膝の痛み

皆さんはロングライドの時に膝を痛めた経験はありませんか?

私は昨年まで膝の痛みに悩まされてロングライドをするのがとても不安でしたが、ある事をきっかけに克服出来ました。

というわけで今回は私が経験した膝の故障と、その克服方法について書いてみたいと思います。

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膝の痛みは大きく分けて4つ

一口に膝の痛みと言っても、人によって痛む場所が違います。

サイクリストの経験する膝の痛みで比較的に多いのは膝の前側の痛みと言われます。

次に多いのは膝の外側の痛みで、続いて膝の内側の痛みとなります。

膝の前側に痛みが出る場合、膝のお皿の上が痛むのは大腿四頭筋付着部炎、膝のお皿の下が痛むのは膝蓋腱炎と呼ばれる症状です。

膝の外側が痛む場合は腸脛靭帯炎、逆に内側が痛む場合は鵞足炎となります。

膝の痛む場所と症状の名称                             ①膝の前側お皿の上が痛む   大腿四頭筋付着部炎                   ②膝の前側お皿の下が痛む   膝蓋腱炎                       ③膝の外側が痛む       腸脛靭帯炎                      ④膝の内側が痛む       鵞足炎

①の大腿四頭筋付着部炎と②の膝蓋腱炎は別名ジャンパー膝と呼ばれています。

バレーボールやバスケットボールなどのジャンプを繰り返すスポーツで多く見られる症状で、自転車の場合はペダリングの負荷が膝のお皿の周りに蓄積して大腿四頭筋や膝蓋の腱が傷つく事で起こる炎症が原因です。

次に③の腸脛靭帯炎ですが、こちらはランナー膝という別名で呼ばれています。

太ももの外側を通る腸脛靭帯がペダリングの際に膝の骨を乗り越える動作を繰り返す事で炎症を引き起こし、痛みを発生させます。

最後に④の鵞足炎は脛骨(すねの骨)の内側に扇状に付いている4つの筋がガチョウの足のように見える事から鵞足と呼ばれており、ペダリングによる膝の曲げ伸ばしで鵞足に付いている筋や腱が炎症を引き起こして痛みを発生させます。

ここまでで痛みの原因は、膝のお皿周りの筋肉や腱、靭帯などがペダリングの動作によって傷ついて発生する炎症に起因しているという事が分かりました。

またそれ以外にも個人が持つ身体的特徴、例えばX脚やO脚、また筋肉や腱の柔軟性の低下なども痛みの発祥の要因となりえるそうです。

皆さんが経験した膝の痛みはどれだったでしょうか?

腸脛靭帯炎 あかつきの場合

ここからは私あかつきの膝の痛みとその克服までの過程を読んで下さる皆さんと共有して痛み克服のお役に立てて頂ければと思います。

私の膝の痛みは、お皿の外側が痛くなる腸脛靭帯炎(ランナー膝)でした。

身体的特徴としては、足がO脚で真直ぐ立っても膝がくっつきません。

また加齢も手伝って筋肉の柔軟性もかなり落ちており、膝を痛める要因がいくつか揃っていたものと思われます。

おじさんのお見苦しい足で申し訳ありませんm(_ _)m

ではどんな場合に腸脛靭帯炎に襲われるのかというと、それは決まって300kmを超えるブルべ(長距離ライド)の時でした。

2019年と2020年に同じ300kmのコースのブルべに参加して、1回目は右膝、2回目は左ひざを痛めボロボロの体で何とか完走しましたが、痛みが出てからゴールするまでは正に地獄の苦しみで、楽しいはずのサイクリングが台無しでした。

コース設定は前半の100kmほどでコースの最高点に到達し、後はおおむね平坦ですが、決まって前半の山越えからダウンヒル後に平地に入り、折り返しに差し掛かる頃に膝に違和感が出始めます。

そこからはペダリングを繰り返すごとに痛みがひどくなり、お尻をかばうためにダンシングをすると膝の外側に鋭い痛みが走って酷い状態でした。

最終PCに着く頃には膝の痛みはピークに達し、それでもゴールするまで何とかペダルを回し続けますがほとんど力が入りません。スピードも20km/hを維持するのがやっとといった具合でした。

◆膝が痛み出すと楽しいサイクリングが一転苦行に変わります

膝を痛めずにロングライドを完走したい!

ロングライド中に膝の痛みを経験した私は、どうすれば膝を痛めずに300km以上の距離を走り切れるか真剣に考えました。なぜなら300kmのライドで膝を痛めて大きくペースダウンしている様では、その先の400kmや600kmブルべ完走は程遠く、それは目標としているSR(シュペールランドヌール)の認定を諦める事を意味するからです。

フランス発祥のロングライドイベントであるブルべでは1年間に200km、300km、400km、600kmのコースを完走して認定を受けると、SR:シュペールランドヌール(凄い旅人)という称号の認定をして頂けます。(もちろん申請手続きが必要となります)

では長時間膝を痛めずにペダリングを続けるにはどうしたら良いのでしょう?

私の場合は腸脛靭帯炎を起こさないために今の悪さを洗い出して改善しなければならないのですが、いかんせん医療の分野については全くの素人です。

そこで困った時のネット頼み!「ロードバイク膝の痛み」のワードで様々なブログや文献を読みまくりました。その結果から考察される要因をまとめたものがこちらになります。

腸脛靭帯炎の原因と思われる6つの要因 (あかつきの場合)                 ①サドルの高さが高い                              ②サドル位置が後ろすぎる                         ③Qファクターが狭い                           ④シューズの中の足の角度が悪い                      ⑤O脚によるがに股ペダリング                       ⑥ライディングフォームが悪い

①サドルの高さが高い、②サドルの位置が後ろ過ぎるはバイクのポジションに関する要因です。いずれも高過ぎる、後ろ過ぎる事によってペダリング時に膝の屈曲角度が30°を超えて伸びてしまうことにより、膝の外側の摩擦刺激が増加して炎症の引き金になっている可能性があります。

③Qファクターが狭いについては、Qファクターって何?と思われる方もいらっしゃると思いますが、簡単に言ってしまうと、左右のペダル間の距離の事で、この距離を広げてあげることで多少がに股ペダリングになっても、膝に掛かる負担を減らしてあげようというものです。

実際にペダル間の距離を広げようとすると、スペーサー等が必要になって来ますが、シューズのクリートの位置を目一杯親指側へ寄せてあげるだけでもそこそこQファクターを広げることが出来ます。

*クリートとシューズによって調整代に違いがありますのでご注意下さい。

④シューズ内の足の角度が悪いは、ビンディングシューズでペダルを踏みこむ際にシューズの中の足の角度や、土踏まずのアーチのつぶれなどが膝の痛みの原因になっている可能性があると言うものです。

こちらはシューズの中敷き「インソール」と足の角度を調整する「シム」を入れてあげることで真直ぐにペダルを踏むことが出来るようになり、膝の痛みの改善が期待出来るというものです。

Specializedオンラインストアサイトより

◆写真はSpecialized BG SL FOOTBED++BLU(インソール)になります

インソールは鵞足炎の改善に効果があったという動画を以前拝見しました。

⑤のO脚によるがに股ペダリングは、身体的な特徴なのですぐに改善するのは難しですが、一応内股、又は真直ぐに踏む事を意識しながらペダリングをする様にしてみます。

特にロングライドでは疲れが出るとフォームが崩れて来るので、綺麗なフォームでペダリングすのは膝への負担軽減につながると思います。

そして最後は⑥のライディングフォームが悪いです。ここで言うライディングフォームとは、自転車に乗る時の姿勢の事を指します。

姿勢の悪さは体の様々な部分に知らない内に負担を掛けて、それがロングライドの際に膝の痛みとなって発症している可能性があります。

特に背骨に関しては自然なS字を描いている状態を維持する事が大切だという事を知りましたので、その辺を重視して自分のフォーム(姿勢)を再確認します。

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対策を試して効果を検証

腸脛靭帯炎に対する具体的な改善策が出揃いましたので、次は実際に対策をして効果があるのかを一つ一つ検証して行きます。

全てを一気にやってしまうと、どの改善が効いたのか分からなくなってしまうので、お金が掛からない(投資が必要ない)対策から順番に実施して行きます。

確認は週末の休みにヒルクライムを織り込んだ100km程度のライドを行い、膝に痛みや違和感が出ないかで判断します。

それでは対策と検証スタートです!

サドルポジションの見直し

まず最初は①と②サドルポジションの見直しです。順番としては最初にサドルの高さを決めて、次に前後の位置を合わせます。

サドルの高さは一般的に足を真直ぐに伸ばした状態で、シューズの踵がペダルに付く高さと言われていますので、それに従って調整します。

もちろんこの時は普段のライドで使用するレーパン(サイクリングパンツ)を着用して調整します。

普段着で調整してしまうとお尻のパッドの厚み分サドル位置が高くなってしまうのでご注意下さい。

◆固定ローラー台等があると便利ですが、無い方は壁や柱に手をついてやってみて下さい

サドルの高さが決まったら、次はサドルの前後位置を調整します。

こちらも一般的な合わせ方で、重りの付いた糸を準備して糸を膝のお皿から真下にたらし、その延長線上に水平にしたクランクのペダルシャフトが来る所へ合わせます。

文章で書くと分かり難いので、下の写真を見て頂けるとイメージできるかと思います。

◆クランクは水平で膝から垂らした糸がペダルシャフトと重なる様に調整します

以上でサドルのポジション出しが終わりましたので、効果があるか実走で検証です。

自宅から往復100km程のコースを設定して走ってみましたが、結果はNGでした。

ヒルクライムを終えて80kmくらいの所で右膝の違和感が出始め、少し痛みが出てしまいました。

この時頭に浮かんだのは「ああ、やはりな」という思いでした。

元々サドルポジションはそれ程大きくずれていたわけでは無かったので、劇的な効果はあまり期待していなかったからです。

しかしサドルポジションが原因でないことが分かったのは一つの収穫です。

Qファクターを広げる

サドルポジションが原因から消えたので、次は③Qファクターを広げるを試します。

私が普段使っているペダルはシマノのSPD-SLとそれに対応したシマノのシューズでクリートの調整幅は左右方向で5mmあります。

調整前のクリートのセット位置は、シューズのほぼ中心でしたので、これを目一杯親指側へ移動してあげれば、Qファクターが左右の足の分を合わせて5mm広がった事になります。

たかだか5mmと思われるかも知れませんが、実際にやってみると結構広くなったと感じることが出来ました。

◆わずか5mm程度と思うなかれ、意外と違いが分かるものです

実際にバイクに乗ってペダリングをしてみると、足を回し易くなった感じがしたので、サドルポジションを調整した時の様に100kmの実走をして再度確認をします。

がに股ペダリングの見直し

この時に⑤がに股ペダリングにならないも意識してペダリングをする様にしてみました。

さて結果はというと、違和感や痛みを感じる事無くライドが終わるかと思った矢先、あと数キロで自宅に着くという頃になって膝に違和感が出ました。

痛み出すまでには至りませんでしたが、ペダリングを続ければ間違いなく腸脛靭帯炎が発症すると分かる違和感だったので、結果はNGです。

ここまで4つの対策を試してきましたが、どれも効果が見られず少しあせりが出てきました。

もしかするとこの先もずっと膝の痛みに悩まされるのか?

それでも対策は後2つ残されていますので、めげずに次へ進みます。

ライディングフォームの見直し

次なる対策は⑥ライディングフォーム(姿勢)の見直しです。

④インソールとシムの導入はお金が掛かるので、最後に回しました。

ライディングの時のフォーム(姿勢)を見直すとは具体的にどんな事をするのかと言いますと、ズバリ「背骨の自然なカーブを維持する」という事になります。

人間の背骨は無理なく正しい姿勢で立った状態の時に首から腰に掛けて緩やかなS字を描きます。

これを自転車に乗る際の姿勢に当てはめると、背骨は本来のS字を保ったまま腰骨の辺りを支点に上半身を前傾させハンドルに手をそえるフォームが最も自然な姿勢となります。

それを踏まえて今までの自分の姿勢はどうだったのでしょうか?

改めて確認をしてみると、私は長距離を走る時のお尻(お股)の痛みを和らげるために、極力座骨でサドルに座ろうとするあまり骨盤を立てて背中を猫背にして乗っていました。

俗に言う「腰が引けている」状態です。

この姿勢はお股の圧迫はある程度逃がす事は出来るものの、背骨が弓なりに曲がる事で腰への負担も大きく、長い登りの後などでは腰が痛くなることがしばしばで腰にも良くないと薄々感じていました。

この姿勢でのペダリングは骨盤が立つ、場合によっては後ろへ倒れる事で腸脛靭帯が張った状態を誘発しペダリング動作の繰り返しで炎症を引き起こしていた可能性があります。

では対策として何をするのかと言いますと「猫背にならない様に意識する」これだけです。

サドルに座って前傾姿勢を取る際に腰骨の所から折り曲げる様にして、背骨のS字を維持する事を常に意識します。登り坂でも腰をサドルの前側にずらして、骨盤が後傾したり、背中が猫背にならない様常に「腰が入った状態」を維持します。

 

◆腰が入っていない状態:背中が猫背でおへその所がへこみ、腰骨が立っています

◆腰が入っている状態:腰骨から前傾していて、おへそが前へ突き出ているイメージ

さあ、今度の対策は効果があるのか、期待と不安の3回目実走検証です。

痛みの原因が判明

実走の結果を申し上げますと、ズバリ「当たり」でした!

姿勢を意識して乗るようになってからは、週末の100kmライドでは一度も膝に違和感や痛みが出なくなりました。

3月に200km、4月には400kmのブルべに参加もしましたが、膝は一切トラブル無く両ブルべとも無事完走する事が出来ました。

この結果から、私の腸脛靭帯炎の原因は「姿勢の悪さ」にあった事が分かりました。

 

膝の痛み(腸脛靭帯炎)の原因

腸脛靭帯炎の原因は自転車に乗る時の姿勢の悪さである事が分かった。

改善方法

背骨の自然なカーブを阻害しないフォームを維持する事が最も効果的な事が分かった。

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結果まとめ

「姿勢の悪さ」を改善して以降SR認定取得に向けて、週末100kmのトレーニングを続け、無事に300kmと600kmのブルべも完走する事が出来ました。

もちろん腸脛靭帯炎の再発は無く、最後までライドに集中する事が出来ました。

膝の痛みの原因は人それぞれなので、腸脛靭帯炎以外の症状で悩まれている方のお役には立てなかったかも知れません。

申し訳ありませんでした。

ただこの記事が、少しでも同じ膝の痛みで悩まれているサイクリストの手助けになれれば幸いです。

それではまた次の記事で。